ひじきの驚くべき栄養と効能!毎日の食卓にプラスしたい簡単レシピ5選【現役ひじき漁師が解説】
- さかえ だいご

- 10月4日
- 読了時間: 5分

ひじきは、古くから日本で親しまれてきた海藻です。
地味な見た目ですが、実は驚くべき栄養と効能を秘めています。
この記事では、ひじきの魅力と、毎日の食卓に手軽に取り入れられる簡単レシピを現役のひじき漁師がご紹介します。
ひじきとは?

ひじきは、褐藻類に属する海藻の一種です。
日本では、主に太平洋沿岸の岩礁地帯に生息しています。

ひじきの種類と特徴

ひじきには、大きく分けて「長ひじき」と「芽ひじき」の2種類があります。長ひじきは、茎の部分で歯ごたえがあるのが特徴です。一方、芽ひじきは、葉の部分で柔らかい食感が楽しめます。
ひじきの旬と産地
ひじきの旬は、冬から春にかけてです。主な産地は、紀伊半島、瀬戸内海沿岸、長崎県など。
ひじきの驚くべき栄養と効能
ひじきには、現代人に不足しがちな栄養素が豊富に含まれています。
※数値は代表的な目安です。栄養は乾燥と水戻し後で見え方が大きく変わります。
食物繊維|整腸・便通サポート/食後血糖の急上昇をゆるやかに
乾燥:おおむね 40〜50 g/100g(総量)乾燥重量のほとんどが、食物繊維です!
水戻し後(ゆで):約5〜8 g/100g
ポイント:腸内環境の維持・便のかさ増し・満腹感の持続に寄与します
「ごぼうの◯倍」は乾燥同士の比較でひじきが過度に大きく見えやすい表現。実際の摂取は水戻し後なので、一皿で整腸を後押しするイメージが正確です。
カルシウム・マグネシウム|骨・歯の維持/筋肉・神経のはたらきに
カルシウム:乾燥 約1,400 mg/100g → 水戻し後 約140〜160 mg/100g
マグネシウム:乾燥 600 mg台/100g → 水戻し後 60〜80 mg/100g
ポイント:骨・歯の形成維持、筋収縮や神経伝達をサポート。
「牛乳の◯倍」は乾燥100g比だと大きく見えます。「水戻し後100gで“牛乳相当〜やや多め”」が実態。日常使いではこちらを目安に。
カリウム|塩分(ナトリウム)バランスと水分調整のサポート
乾燥 約4,400 mg/100g → 水戻し後 約500〜600 mg/100g
茹でこぼしでさらに減少(目的に応じて使い分け)。
ポイント:余分なナトリウムの排出を助け、血圧ケア・むくみ対策の補助に。
鉄|赤血球の形成に欠かせないミネラル(加工で変動)
乾燥(ステンレス釜)約6 mg/100g/(鉄釜)約58 mg/100g と加工で大きく変動
水戻し後は数値が希釈。
ポイント:赤血球の材料。鉄補給を狙うなら商品表示や実測値の確認を(加工条件で差)。
ヨウ素|甲状腺ホルモンの材料(摂りすぎに注意)
海藻特有で非常に高含有。
ポイント:代謝を担う甲状腺ホルモンの合成に必要。連日の大量摂取は避け、目安量の範囲で楽しむのが安心。
ひじきの栄養表現に関する注意
「ごぼうの7倍」「牛乳の12倍」などのフレーズはキャッチーなのでよく使われますが、乾燥100g同士の比較で生じやすい過大印象につながります。ひじきは水で戻して食べますからね。
とはいえ、栄養豊富、と言って差し支えないほどには各栄養素が豊富です。
ひじきは“毎日続けられる範囲でコツコツ”がちょうどいい。サラダや混ぜご飯に少量ずつ足すだけでも、食卓の栄養バランスが整います。
毎日の食卓に。簡単レシピ5選
1|ひじきの“ネバネバ”サラダ(基本の一皿)
材料(2人分)乾燥ひじき5g、オクラ4本、長いも5cm、きゅうり1/2本、めんつゆ(ストレート)大さじ2、ごま油小さじ1、酢小さじ1、白ごま少々
作り方
ひじきは水で10分戻し、すすいで水気をよく切る。
オクラは塩ずりしてさっと茹で、輪切り。長いも・きゅうりは角切り。
ボウルでめんつゆ・ごま油・酢を合わせ、具材とひじきを和える。白ごまをふる。
ポイント:ネバネバ食材と合わせると、ひじきの歯ざわりが引き立って食べ飽きません。
2|ひじきとブロッコリー&タコのサラダ(海のものと相性◯)
材料(2人分)乾燥ひじき5g、ゆでタコ100g、ブロッコリー小房1/2株、オリーブオイル大さじ1、レモン汁小さじ2、塩・こしょう少々
作り方
ひじきは戻して水気を切る。
ブロッコリーは塩茹でして水気を切る。タコは薄切り。
オリーブオイル・レモン汁・塩・こしょうで全体を和える。
ポイント:レモンの酸でさっぱり。鉄の吸収を助けるビタミンCも一緒に。
3|ひじき入り豆腐ハンバーグ(子どもにも優しい)
材料(2〜3人分)乾燥ひじき5g、鶏ひき肉200g、木綿豆腐150g、玉ねぎ1/4個、パン粉大さじ2、卵1個、塩・こしょう少々、油少々
作り方
ひじきは戻して粗みじん。豆腐は重しをして水切り。玉ねぎはみじん切り。
ボウルで鶏ひき肉・豆腐・玉ねぎ・ひじき・パン粉・卵・塩こしょうを混ぜ、丸く成形。
フライパンに油を温め、中火で両面をこんがり。ふたをして中まで火を通す。
ポイント:ひじきは刻んで混ぜると食感なじみがよく、冷めてもおいしいのでお弁当向き。
4|ひじきのきんぴら(食物繊維たっぷり)
材料(作りやすい量)乾燥ひじき10g、ごぼう1/2本、人参1/3本、ごま油小さじ2、醤油大さじ1、みりん大さじ1、白ごま適量
作り方
ひじきは戻して水気を切る。ごぼう・人参は細切り。
フライパンにごま油を温め、野菜→ひじきの順に炒める。
醤油・みりんで調味し、水分を軽く飛ばす。白ごまをふる。
ポイント:炒めて仕上げると、香りと歯ざわりが際立ちます。作り置きにも。
5|“あと混ぜ”ひじき混ぜごはん(風味をまとわせる)
材料(2合分)炊きたてごはん2合分、乾燥ひじき10g、めんつゆ(2倍濃縮)大さじ1、ごま油小さじ1、白ごま・刻みねぎ適量
作り方
ひじきは戻して水気をしっかり切る。
炊き上がったごはんに、ひじき・めんつゆ・ごま油を加え、切るように混ぜる。
器に盛り、白ごま・ねぎを散らす。
ポイント:ひじきは“炊き込まずに最後に入れる”のがコツ。食感と香りが生きます。
おいしいひじきの選び方と保存

選び方:黒くツヤがあり、自然な磯の香りがするもの。産地や製法、使い方の目安が書かれていると安心です。
保存:乾燥は高温多湿を避け、密閉容器で。戻したら冷蔵で2〜3日以内が目安。小分け冷凍もOK。
まとめ
ひじきは、毎日の食事に“ちょい足し”するだけでバランスが整う頼もしい存在。サラダ、混ぜごはん、作り置きの副菜など、無理のない範囲で続けてみてください。きっと、食卓の定番に育っていきます。











