「おすすめ」をみる、聞く前にできること。
- さかえ だいご

- 10月9日
- 読了時間: 5分
更新日:10月9日

「オススメはどれですか?」
お店に入って、メニューを眺めながらつい口にしてしまう言葉。
失敗したくない、一番良いものを選びたい。その気持ちは自然なものですが、その一言を発する前に、ほんの少し立ち止まってみたい。
そんなことを考えるきっかけになった、数年前の出来事があります。 隣の集落に、同じ時期に移住してきた先輩が営むコーヒー屋があります。 過疎の島の、さらに端っこの方で、メニューは自家焙煎のコーヒーのみ。 そのお店ができたばかりの頃に訪れ、尋ねました。
「オススメのコーヒーはありますか?」 と。
返ってきたのは、質問でした。
「あなたは、どんな味が好きですか?」
もちろん、どの豆も良いと思って仕入れている。その上で、あなたが今どんなものを飲みたい気分で、どんな味を好むのか、まずはそこから考えてみてほしい、と。
その言葉に、はっとさせられました。
いつの間にか、自分の「好き」という感覚に蓋をして、誰かが作った「正解」を探すようになっていなかっただろうか。口コミを読み込み、ランキングをなぞり、オススメされたものを選ぶ。挙げ句の果てにはAIにおすすめを聞いてみる...
そうすれば大きな外れはないかもしれませんが、自分の感性が磨かれる機会を、自ら手放していたのかもしれません。 それ以来、何かを選ぶときには、まず自分の内側に問いかけるようになりました。
通販サイトの「オススメ順」をクリックする前に、今どんな機能の、どんなものが欲しいのかを考える。
レシピサイトに頼る前に、この食材をどう料理したら楽しいだろうかと想像してみる。
答えを急いで外に求めるのではなく、一度自分の中の感覚と対話してみる。
そのひと手間が、日々の暮らしを少しだけ豊かにしてくれるように感じています。
この話、実は今まさに作っている「沖家室ひじきの公式レシピブック」にも繋がっています。
沖家室ひじきの公式レシピブックを見ていただく皆さんに考えていただきたいこと。
沖家室ひじきは、新芽の時期に最高の磯を選んで収穫し、丁寧にごみを取り除いているため、水で戻すだけでサラダとして食べられるのが特長です。
そのままの素材を味わってほしいという想いから、これまであえて詳しいレシピは作ってきませんでした。 ですが、販売開始から5年が経ち、ピザやパスタ、オリーブオイルやごま油など、様々な食材との相性の良さも見えてきました。
そこで、いよいよ満を持して、自信を持って「これがオススメです」と言える食べ方を一冊の本にまとめようとしています。 ただ、ここに....もどかしい想いがあります。
もちろん、手にとってくださった方には、最高の食べ方を知ってほしい。こんな食べ方があるんだよ、と知って欲しい。特にサラダで食べたり、洋食に合わせたり、麺類のトッピングにしたり....なんてものはなかなか思いつこうと思っても難しいところがあるはずなので、作ってみました。
でも、レシピブックを開く前に、まず一度、ひじきそのものと向き合ってほしいのです。 乾物のひじきをじっと眺めていただき、水で戻したひじきをまずは一口食べてみてください。
どんな香りがして、どんな歯触りがするのか。
どんな調味料と合わせたら美味しいだろうか。
どんな料理に変身させたら、食卓が楽しくなるだろうか。
最高の素材は、ご用意しました。だからこそ、その素材をどう生かすかという、創造の余白を楽しんでいただきたいのです。
コーヒ屋での先輩の問いかけは、今も心に残っています。
「あなたは、どんな味が好きですか?」
レシピブックは、あくまで旅のヒントが書かれた地図のようなもの。
それらを眺めながら、「なるほど、こんな食べ方があるのか。それなら、自分はこうしてみようかな」と、自分だけの美味しい答えを見つける冒険を楽しんでもらえたら、これほど嬉しいことはありません。
何においても、自らの感性を磨く
AIに聞けば...ググれば...誰かの体験談や誰かの論文や誰かの書いたニュースにたどり着く。
でも、それって本当なの?を自分の感性と照らし合わせたり、1次情報に立ち返って分析し直したり本当の本当?を自ら体験することってすんごく大事だよなと。そうやって物事の良し悪しのモノサシを育てないと「答えのない問い」に立ち向かえないと思っています。
何にでも正解があると思っていたこともある。
いい意味で「誰も正解なんて分からんのだなぁ。自分の頭で考えないとな」と気づいたのが、自分の資産を運用し始めて金融マーケットのニュースや記事を毎日追い始めた時。
日経新聞だろうが、予測している人が有名な外資金融だろうが、違うときは違ったんですよね。
おすすめの本、勉強法について
また、ありがたいことにまだまだ事業主としても人間としてもヒヨっ子ながら、講演会に講師として読んでいただけることが増えてきました。
ご依頼はプロフィールサイトからお気軽にご連絡いただけたら嬉しいです。
そんな中でよく聞かれるのが
「これだけは最低やっておけ!ありますか?」
「おすすめの本、ありますか?」
「おすすめの勉強法、ありますか?」
系の質問なのですが
自分にとってのおすすめは思いつくものもあるしブログにまとめたり音声配信などで紹介することもあるのですが....
・新しいものを学ぶときには、関連する書籍は全部読む
・勉強が必要だと思ったものは全部勉強する
・自分にとって必要なものと他人に必要なものは明確に違う
...という基本スタンスを有しています。生涯好きな生き方、働き方をするためには生涯研鑽。
近道も、裏技もないと思っていますし、これからもそういう姿勢で自分が何をしなければならないかを、自分で詰めていける人生でありたいなと思っています。











