脱サラ地方移住のリアルを一問一答
- さかえ だいご

- 10月7日
- 読了時間: 5分
更新日:10月9日

2018年に脱サラして山口県の周防大島町に移住。現在漁師としてひじきを年間50トンほど収穫しながら、沖家室ひじきという高級ひじきを自社商品として加工販売しています。そのほかにもいろいろな事業を運営しているので詳しくはプロフィールをご覧ください。
山口県の周防大島町へ移住して良かったことは?

「サービスがなきゃ自分でやればいい」「ないものはつくればいい」と思えるようになりました。
何もないから不便なのではなく、何もないから新しいものをつくりだせる。ないものではなく、あるモノに意識を向ける。それに気付いてから人生超楽しくなりました。
地方移住先(山口県周防大島町)の好きなところは?

なんといってもいい意味で変わっている、生き方を自分で切り拓いている自営業の先輩たち、爺様婆様がたくさんいるところですかね。
自分もかくありたいと思えるような生き様が見事な人が相対的に多い。景色がキレイとかはどこでも地方は美しいですし。
人口1万人以上の自治体でトップの高齢化率、空家率、人口は毎年400人ずつ減っている過疎地で生き残ってる人たちのパワフルさったらありゃしない。周回遅れのトップランナーです。
過疎高齢化がトップクラスに進んでいようが、そこがチャンスだと思っている根拠はこちら
なぜ島という「不便な場所」に住んでいるの?
脱サラ地方移住して大変だったことは?山口県周防大島町での暮らしのデメリットは?
真っ先に思いつくのが「大好きな家系ラーメンが食べられない」こと。
それ以外はデメリットと表裏一体のメリットなので、あまり気になったことがないというか...
「何もない、虫が多い、お店が少ない、近所付き合い濃い、学校の生徒数が少ない、うわさのまわり方が光通信」みたいなよくある田舎のデメリットを反対に楽しいと思えるから今幸せなのかもしれません。
と、いうより「どこに行ってもいい面もあれば、デメリットもある。嫌なことや辛いこともある。
だからこそ、自分の納得した場所を選んで住むことや、納得して仕事を選ぶ必要がある」という心持ちで生きていくべきだろうと。
よく考えたら嫌だったこととか、辛かったなということとか、色々出てくるんだろうけど、そんなのは学生時代も、銀行員時代も、移住してからもいくらだって出てくるはず。
ただ、そんなことを振り返っている暇があるのであれば今できることに集中すべき、という気概で生きていくのです。
田舎だろうが都会だろうが、会社だろうが自営業だろうが、人は一生懸命頑張っている人、誠実に生きている人を見捨てないもので、めげずに頑張っていたら誰かが実は陰で支えてくれている(悪く言われているときに守ってくれる)、というようなこともよくあるんじゃないかと思っています。
誰しも、思った以上に自分の行動や発信は見られていて、不完全で、だらしなく、誘惑に弱い、失敗だらけの人間だからこそどんな時でも誠実さと謙虚さを忘れちゃいけないよな、ということはよく考えています。
地方移住を考えたきっかけは?
転勤族だったので、社会人3〜4年目を広島県で過ごしたのが大きかったです。先輩に誘われて行った街コンで妻と出会い、自然豊かな場所で暮らすことに憧れました。
元々神奈川の横須賀出身で、幼い頃両親とたくさん磯遊びしたり、山で遊んでいたのも原体験。
移住した日のこと覚えてる?

不思議と覚えてるのは島の景色でもなく「千葉から山口まで車で17時間移動した道中、夜の高速道路がトラックだらけだったこと」。
物流はこうして支えられているのだと。わしも今では夜中にひじきを刈るように。世の中は誰かが夜中に働くことで成り立ってることに遅まきながら気づくことができました。
地方移住、田舎暮らしに向いている人はどんな人?
自然が好きであれば...だけだとちょっと厳しくて、人とのコミュニケーションが好きな人でなければ、都市部の暮らしの方が気楽でいいかもしれません。
ただ、人間単独ではどうしようもないことも多いので都会だろうが田舎だろうが学校だろうがある種どこでも「ムラ社会の一員になること」って生存していく上では必要不可欠なことだったりしますよね。
「めんどくさいことの裏にこそ楽しいことがある」と思える人だと楽しめると思います。
島での子育て、育児って実際どう?
「なければ作る」
「ないものを数えず、あるものを大切にしよう」...を教育していこうと思っています。
ひとまず、未就学児の段階では、心底、島で子育てできてよかった、と思っています。
小、中、高、大〜その後については、それはその時になってみないとわからないので(そしてかなりのハードルは色々あるだろうなとは想定はしつつ)、今の時点でどうこういえませんが、
その時点での未来予測に基づいて子供と一緒に未来を作っていこうと思っています!
地方移住するために必要なことはある?
自分にとっての理想の生き方や働き方を考えて大切な人と話すこと、それ以上でも以下でもないし、それを選ぶのは自分たち自身だと腹を括ること。
人生の主導権は本来自分にしかないんですよね。
転職も、起業も、移住も「迷ったらGO!」やってみて失敗してもまぁなんとかなるじゃんって頭の片隅では思っています。
でも「人から止められても進む」くらいの意思と情熱が決断する時点ですらないのだったら、長い目で見てうまくいかないからやめといたほうがいいかなと。残酷だけど馬力出せないと詰みますし。
移住のベストタイミングっていつ?
ご自身のタイミングで...といいたいところなのですが2つの意味で「今すぐ動くべき」と思ってます。
結論だけいえば
(1)「供給サイドが不足」する未来が来るので、早く動いた者が椅子取りゲームを制するから
(2)3年後に脱サラします、地方移住したいと思ってますの「3年後」はいつまで経っても来ないから。
田舎暮らしの本11月号にこのテーマで寄稿しています。
ぜひ読んでみてください...!早めの参入がなぜ最適解なのか、ということを仕事の需給の観点から解説しています。















