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新しい芽を育てるために「先輩力」を鍛えたい件

更新日:9月24日

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こんにちは!瀬戸内海の島でひじき漁師をしている、さかえるです。


僕がこの島に移住して、早いもので8年目になりました。集落の中ではまだまだ若手で、これまでたくさんの「人生の先輩」たちに、それはもう温かく受け入れてもらい、助けてもらいながら、なんとかやってきました。


都会で言えば36歳は、そろそろ中堅どころか、人によっては課長クラスにもなる年齢。でも、この島ではまだまだ「ひよっこ」です(笑)。だからこそ、いろんな突拍子もないチャレンジができたんだなと、改めて先輩方に感謝しています。


そんな僕が、最近ひしひしと感じていることがあります。それは、「自分も先輩力を鍛えなければならない」ということです。


集落に吹く、新しい風


実は最近、僕が住んでいる集落に、一人の若者が移住してこようとしています。それも、空き家を「もらって」住むという、なかなかの覚悟を持って。


すごく嬉しい話です。めちゃくちゃ嬉しい。でも、正直なところ、最初に話を聞いたときは「いや、待て待て!そんな簡単な話じゃないぞ!」と、心の中で叫んでいました。


その家は、すぐに快適に住める状態ではありません。トイレは汲み取り式だし、水回りも古い。給湯器もついていないし、家のあちこちに手を入れる必要があります。ざっと見積もっても、100万円以上はかかるかもしれない。


彼が「移住します」と覚悟を決めるまでには、僕自身もいろいろな話をしました。リスクの話もしたし、最終的にどうするかは君の決断だよ、と少し厳しいことも伝えました。それでも彼は、「頑張ってみたいです」と言ってくれたんです。


問われる「器の大きさ」


彼のその言葉を聞いて、全力で応援したいと思いました。と同時に、自分の器の小ささを痛感させられたんです。これまでの僕を振り返ると、先輩たちはいつも「やってみなはれ」というスタンスで見守ってくれていました。


ひじき漁を始めるときも、手探りで事業を立ち上げたときも、「日本一高いひじきを作る」なんて大それたことを言い出したときも、「なんか困ったことがあったら、いつでもおいで」と、大きな器でどーんと構えてくれていたんです。


そのおかげで、今の僕があります。


じゃあ、今度は僕がその若者に対して、同じように大きな器で接することができるだろうか?


ついつい、余計な口出しをしたくなる自分がいます。「いや、そのやり方だと失敗するぞ」「そこには見えない地雷が埋まってるんだって…」と、自分の経験からアドバイスしたくてたまらなくなる。


でも、本当に彼の成長を願うなら、ぐっとこらえて見守る強さが必要なんだと思います。必要なときに、必要な分だけ手を差し伸べる。過保護になりすぎず、でも突き放さず。その絶妙な距離感を保つことこそが、「先輩力」なのかもしれません。


潮目は変わりつつある


実は、新しい芽は集落だけではありません。僕のひじきの事業にも、新しいスタッフが加わってくれました。少しずつですが、確実に島に新しい風が吹き、潮目が変わりつつあるのを感じています。


これから僕は、自分自身のチャレンジを続けながら、同時に、僕よりも若い世代の挑戦を大らかに見守り、支えていける存在にならなければいけません。


今まで先輩たちが僕にしてくれたように、今度は僕が誰かの「ドーンと受け止めてくれる先輩」の一人になる番。


まだまだ未熟者ですが、彼らの挑戦に負けないよう、僕自身も生き方、働き方、考え方を柔軟に変えながら、一緒に成長していきたい。そう強く思っている今日この頃です。



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